ITから不動産へ異例の転職。根底にある「日本の未来への想い」 WAKUWAKU三浦裕大執行役員CROインタビュー

2022年9月に「中古仲介+リノベーション」に取り組むWAKUWAKUに入社した三浦裕大執行役員CRO。同氏はこれまで日系・外資各社のトップセールス、事業責任者としてIT企業一筋で歩んできました。今なぜ、不動産業界に飛び込もうと思ったのか。その背景には中古住宅市場の持つ可能性と、「日本を元気にしたい」という三浦氏の強い思いがありました。

◆プロフィール

株式会社WAKUWAKU
三浦 裕大(みうら・ゆうた)執行役員CRO

独立系大手SIerに新卒入社し、全社トップセールス。株式会社セールスフォース・ドットコム(現・株式会社セールスフォース・ジャパン)、ドーモ株式会社にてグローバルカンパニーのセールスメソッドを学び、世界トップ10にランクインするなど高い営業成績を記録。その後、株式会社プレイドにて大手企業をターゲットとするエンタープライズビジネスの本格立上げを主導、2020年10月よりビジネス部門の責任者として事業成長に貢献し、2021年4月に執行役員に就任。現在は、複数社のアドバイザリー活動も行う。

 

IT企業一筋だった気持ちを変えた、WAKUWAKUとの出会い

――三浦さんはこれまで、一貫してIT畑を歩まれてきたと伺いました。

2008年に、新卒で日系大手のSIer・富士ソフトに入社しました。ちょうど日本におけるクラウドコンピューティングの黎明期で、幅広くテクノロジーやクラウドに携わりました。SIerにいるとクライアント事業の維持やコストの削減に関する視点は育ちます。しかし、テクノロジーを通して事業のトップラインを伸ばしていきたいと考え、2012年にセールスフォースに移りました。セールスフォースでは中小企業中心の営業開拓や導入提案を担当しましたが、クライアントの経営会議に参加する機会も増えました。思えばこの頃から、スタートアップ企業と関わりたいという思いが芽生えていたのかもしれません。

2014年にクラウド型データ活用プラットフォームを手がける、米・ドーモの日本法人に転職。立ち上げ期だったため、人、モノ、カネ、あらゆるものがない状態でした。セールスフォースという看板に守られていた自分の殻を飛び出したのだから、ここで勝負したい。そう思って取り組んだ結果、グローバルで営業成績トップ10を取りました。

その当時のクライアントだったのが、前職のプレイドでした。声をかけてもらって2018年に入社し、IPOも経験。最大120人の部門の責任者にもなりました。キャリアのスタートは営業でしたが、事業をグロースさせることに面白みを感じるようになり、それを実現できる新しい道に進むことに決めました。

 

――「新しい道」として、なぜ不動産事業を選んだのでしょうか。

当初は、プレイドとは別のIT系企業に籍を置きつつ、副業で複数の企業と関わる計画でした。それがWAKUWAKUとの出会いによって、すべてが変わりました。

2022年の6月に登壇した営業採用セミナーがきっかけです。スプリームシステムの渡部知博代表取締役社長兼CEOがSalesforceの同僚だったので、そのご縁で、WAKUWAKUの鎌田(友和代表取締役CEO)と出会いました

ただ先述の通り、軸はIT企業のつもりだったので、副業としてお手伝いができればという気持ちでした。

 

―鎌田氏と対面した際の印象をお聞かせください。

鎌田と初めて会ったのは2022年7月です。気軽な気持ちで対面したつもりが、2時間向き合って話していたら、鎌田と一緒にやりたいという気持ちがどんどん強くなっていくことに気づきました。社名にかけているわけではないですが、久しぶりにワクワクしている自分がいたのです。これは帰り道には入社を決めていました。

 

―副業で力になりたい、という気持ちが変化したのですね。

鎌田自身も過去にインタビューで話していますが(「国内最大級リノベーションプラットフォームを運営する株式会社WAKUWAKUが目指す未来」)、彼は子どもに負けないくらいの好奇心を持った人です。鎌田自身の人間性はもちろん、WAKUWAKUの事業も非常に魅力的でした。一方で業界の課題、現状のギャップなどを聞くと、目指す目標に対して最短距離で近づけていないのではないかという印象を持ちました。ここで私の力を生かせないか。そう考えました。

 

自分らしい暮らしを得られれば、人も日本は元気になる

――WAKUWAKUの事業のどのような点が魅力に映りましたか。

前職を辞めると決めた際、自分が今後何を目的として進むのかを見つめ直しました。そこで見えたのが、「自分が生を受けた日本を、より良い状態で後世に残す」という、一人では決してなし得ない壮大な目標でした。日本は毎年約60万人の人口が減っていて、国の力が落ちている。企業に例えるなら、業績が悪い状態です。私も例外ではありませんが、日本に住みながら日本への不満を口にしている人も少なくありません。でも客観的に見ると、日本は食事もおいしくて安全で、インフラも充実している。今後は、日本を元気にすることに貢献し、業績の下降スピードを落としたり、緩やかにすることができれば、後世にいい形でバトンタッチできると考えています

ただ、その前提の上で次にまたIT企業を選ぶという道は、会社を変えて同じようなことをやろうとしているだけではないのか。IT企業であればこれまでの人脈も知見も生きるので、きっと活躍はできます。でも、心の底から面白いと感じることはできないかもしれない。それに対して、不動産事業は未経験の領域です。学ぶことの多さも含めて、やりがいがあるのではないかと考えました。

――中古住宅のリノベーション事業は、今後日本の未来にどのような形で貢献し得るのでしょうか。

ここ数年のコロナ禍で在宅時間が増えたことでニーズが多様化し、人に与える影響が大きくなっています。しかし建築コストの高騰や所得が上がらないことから、新築を前提とした住まい探しに明確な変化が起きています。一方で人口減により家が余る構造にもなっています。そう思うと、中古物件のリノベーションは今後大きなマーケットになると感じました。WAKUWAKUを通して自分らしい暮らしを得られることで、そこに住む人が幸せになれば日本が元気になることにつながっていく。私はそう考えています。

 

働く目的が明確になれば、業種の変更は怖くない

――2022年9月に入社されて、約半年が経過しました。実際に入社されて、いかがでしたか?

WAKUWAKUには「リノベ不動産」という直営店運営と、それをフランチャイズで展開する事業があります。私は後者を担当(2023年1月以降は事業責任者)していますが、入社2カ月で過去2年半に一度も出なかった営業成績を達成しました。今後はエンドユーザーはもちろん、新築の仕事が減っている工務店や加盟店の収益を上げて、不動産事業に関わるすべての人を幸せにしたいです。

 

――長くその業界にいると、異業種に移る勇気が出ずに一歩踏み出せない人も多いと思います。

私は日系大手から外資大手、そこから外資の創業期へ移りました。そこで5人から70人にまで規模を大きくして、さらにスタートアップに移っています。もともと変化に対して強いから、できたことかもしれません。

ただ、WAKUWAKUを選んだのも、業界を変えたのもあくまで「手段」。目的や正義が自分の中にあるのなら、業種のチェンジという手段の変化は怖くないと思います。業種やBtoC、BtoBなどのビジネスの形態にこだわらず、「何を成し遂げたいか」を見つめ直していけば、不安はなくなるのではないでしょうか。

セールスとして直接成果を上げているときは、「ありたい姿」を意識して行動してきました。でもチームを持つようになって、自分の将来像に対する優先度はだんだんと下がってきました。チームの可能性を引き出すのが私がやるべきこと。仲間と一緒に取り組むほうが面白いし、圧倒的な成果を出せます。それこそが最終的に自分の成果として返ってくると信じています。

 

――ありがとうございました。

New Articles

最新記事
Midas Talent
Ranking

Ranking

記事ランキング

Recruiting

ミダスキャピタル、及びミダスキャピタル出資先企業群にて、世界に冠たる企業群を創りあげるというビジョン実現のために、傑出した実績や才能を持つ人材を積極的に募集しています。

To Entrepreneur

ミダスキャピタルでは一般的な株式の買取だけではなく、株式を現物出資することによって企業オーナー様がオーナーシップを保有したまま、ミダス企業群を形成する一社として長期に渡り企業価値最大化のお手伝いをさせて頂くことが可能です。