MIDAS IR DAYレポート(前編)ビジョンと投資方針、相互扶助の取り組み

ミダスキャピタルは2025年7月18日、投資家や金融機関関係者に向けた初の「MIDAS IR DAY」を都内で開催しました。ミダスキャピタルのビジョンや投資先企業群の事業理解を目的としています。本イベントの一部セッションを前後編に分けてお届けします。前編では、ミダスキャピタル 代表パートナーの吉村英毅氏、ミダスキャピタルグループのVCであるDual Bridge Capital 代表パートナーの寺田修輔氏、ミダスキャピタル プリンシパルの小林駿氏が登壇し、ビジョンや投資方針、企業群の特徴について語りました。

◆登壇者プロフィール

株式会社ミダスキャピタル 代表パートナー 吉村 英毅

東京大学経済学部卒業。2003年大学在学中に株式会社Valcomを創業。2007年株式会社エアトリを共同創業し代表取締役社長に就任(現在は退任) 。 2016年株式会社エアトリを東証マザーズに、2017年東証1部に上場。エアトリグループ会社3社でも上場を経験。その後2017年ミダスキャピタルを創業。ミダス企業群であるBuySell Technologies、GENDA、AViCが東証上場。

株式会社Dual Bridge Capital 代表パートナー 寺田 修輔

東京大学経済学部卒業。2009年よりシティグループ証券株式会社にて株式調査業務や財務アドバイザリー業務に従事し、ディレクターや不動産チームヘッドを歴任。2016年に株式会社じげんに入社し、取締役執行役員CFOとしてM&Aを中心とする投資戦略、財務戦略を牽引。 2020年7月より株式会社ミダスキャピタルに取締役パートナーとして参画、 2023年4月にミダスグループ内のベンチャーキャピタル運営会社としてDual Bridge Capitalを創業し代表パートナーに就任。Chartered Financial Analyst(CFA協会認定証券アナリスト)。

株式会社ミダスキャピタル プリンシパル 小林 駿氏

東京大学経済学部卒業。A.T.カーニー株式会社に入社し、消費財業界を中心とした経営コンサルティングに従事。2015年に株式会社オースタンスを共同創業し、取締役として事業立ち上げ・組織作りに従事。2019年、株式会社WARCに入社。執行役員として、スタートアップ特化の人材紹介事業を立ち上げるなど経営に携わった後に、株式会社ミダスキャピタルに入社。投資先に対する組織・採用面を中心としたバリューアップ支援に従事。

ミダスキャピタルのビジョンについて

――冒頭、ミダスキャピタルのビジョンやコンセプトの説明がありました。

「ミダスキャピタルは2017年の創業以来、『世界に冠たる企業群を創る』というビジョンを掲げ、これまでにない新しい形の企業群の創造を目指しています

ミダス企業群とは、ミダスキャピタルが運営するミダスファンドが筆頭株主となっている会社を指します。2025年7月時点で、上場企業3社を含むミダス企業群15社の従業員数は計約2万人に達しました。

ミダスファンドは自己資本のみで形成し、投資先企業の株式の過半数程度以上を取得して全案件を上場させ、上場後も売却せず、半永久的に筆頭株主であり続けることを基本としています

GENDA、BuySell Technologiesの時価総額は1,000億円以上に達しました。現在、企業群の時価総額は約5,000億円ですが、短期的に1兆円、中期的に10兆円、長期的に100兆円を目指します。

私たちが最も得意とするところは、傑出した人材へのアトラクト力です。どんなビジネスでも、どんなメンバーでボードを組むかがほぼ全てです。ミダスメンバーは全員がリファラルで、自分たちが知る中で一番の傑出した人材を連れてこようと、累計200名以上の人材を企業群に迎え入れてきました

「また、私たちはM&Aを非常に重視しています。積極的に案件を実行し、その成功事例や失敗事例を企業群全体で共有することで、次の案件に活かせるようにしています。特にPMI、買収後の統合プロセスは、投資の成否を分ける重要な部分です。ここにしっかり取り組むことで、企業価値を高めてきました。また、生成AIをはじめとする最新テクノロジーの活用にも力を入れています。各社のCTOが集まり、実際に活用して良かった事例を共有する場を設け、全社的なレベルアップを図っています。

ビジネスと社会貢献の両立にも注力しています。ミダスキャピタル設立とほぼ同時にミダス財団という財団をつくり、今年4月に公益財団法人の認可を受けました。

ミダス財団の特徴は3つで、1点目は自分たちが直接、ソーシャル事業の運営、推進をする点。2点目は資本効率を追求し、社会的インパクトの最大化を目指す点。3点目は、毎年1つ、新たな社会課題の解決に挑戦することです。国内では特別養子縁組のマッチング事業、子どもの体験格差の是正に取り組んでいます。海外では東南アジアのベトナム、カンボジア、ブータン、ラオスなどの貧困地域に小学校を建設しています」

ミダスキャピタルの投資方針

――続いてはミダスキャピタルの投資方針や独自のスキームについてです。

「投資の手法ですが、ミダスファンドは原則として、投資先企業の筆頭株主になることを基本方針にしています。具体的な投資形態は3つで、バイアウト、新規設立、現物出資です

バイアウトに関しては、一度投資すると半永続的にコミットすることを除けば、通常のプライベートエクイティファンドなどと同様の手法を用いています。新規設立は、ファンド単独、もしくはご一緒する経営者の方と共同でゼロから会社を立ち上げます。

現物出資ですが、主要な投資手法として採用しているのは、私たちの知る限りでは、ミダスキャピタルのみになろうかと思います。オーナー経営者の方が保有されている株式を、オーナー経営者の方のために組成したファンドに対し、現物出資で移管していただきます。純粋な移管で、現物出資のタイミングで現金のやり取りは発生しません。

新たに組成したファンドのことを『オーナーファンド』と呼んでいます。オーナーファンドの主要な出資者は、オーナー経営者の方になりますので、ファンドとしての議決権行使や当該企業への支配権を維持したまま、ミダス企業群に参画できるスキームです。

マジョリティー投資はミダスファンド、マイノリティー投資はDual Bridge Capitalというグループ内のVCで積み上げを行っています。ミダスキャピタルの投資先は、産業や事業領域に特段のこだわりはありませんが、中長期で投資と経営に対してコミットすることを基本方針としているので、おのずと成長企業が投資先となっています。上場企業、未上場企業いずれも私たちの投資対象です」

これまでの投資実績

「これまでの投資実績についていくつかご紹介できればと思います。まず上場企業でリユース業のBuySell Technologies(以下、バイセル)。ミダスキャピタルの第1号案件です。2017年にミダスファンドと、現在バイセルで代表取締役会長を務められている岩田さんとで、共同でバイアウトした会社になります。経営株主として主要な経営陣をお招きしたり、M&A、ファイナンス、事業推進だったりでご支援させていただきました。

バイセルは2019年の投資実行から2年でIPOを果たしております。ミダスファンドがバイセルに投資をした時の時価総額が50億円、IPOした時の公募時価総額が120億円、初値が240億円でした。50億円で投資をして2年で240億円になってますので、通常の投資ファンドであれば、喜んで全株式を売却するタイミングかなと思います。一方で、ミダスグループは、そういうことがしたいわけではございません。

IPOをしたからこそ、上場企業として多種多様なコーポレートアクションをとり、より企業価値を高めていくための施策を実行できると考えました。上場後も経営株主として、さまざまな価値向上のための支援をさせていただきまして、今期のガイダンスベース(ガイダンス記載は2025年5月時点)で売上高で1,000億円、営業利益で75億円、投資実行時に比べると、それぞれ12倍、25倍になっています。株価も上昇を続けておりまして、2019年の公募価格に比べ、直近の株価は6倍になっています」

「2社目にご紹介するのはGENDAです。アミューズメント施設を中心とするエンターテイメント系の事業を総合的に展開している会社です。ミダスキャピタルにとっては第2号案件です。

現在、代表取締役社長を務められている片岡さんと、ミダスファンドと共同で2018年に新規設立した会社になります。GENDAは、未上場の段階から連続的にM&Aを実行していましたので、それに応じる形で未上場の段階で何回かミダスファンドで追加出資をしております。

バイセル同様、経営株主として総合的に企業価値を高めることを考えて、M&Aを連続的に行い、会社設立から5年強でIPOすることができました。また、M&Aが戦略として非常にうまくはまりまして、日本のスタートアップとしては、過去最高水準のスピードで売上高1,000億円を突破した会社となりました。設立から6年で時価総額は2,000億円を超えて、株価もIPO時点に比べ2倍ほどに上昇しています。

3社目はAViCで、主にデジタルマーケティングを手掛けている会社です。創業から現在に至るまで、代表取締役社長でいらっしゃる市原さんが保有されていた株式を、オーナーファンドに現物出資で移管いただき、ミダスファンドが一部株式取得をする形でご参画いただきました。創業から4年という非常に短期間でIPOを果たし、その後も堅調に業績が拡大して、IPO時点に比べて株価は2倍に上昇しております。

日々さまざまな案件をお持ちこみいただき、私たちのほうからもドアノックをして投資案件を模索しております。ミダス企業群全体として、バイセルやGENDAをはじめとする投資先各社においても、積極的にM&Aというコーポレートアクションを経営戦略に組み込んでいますのでグループ全体で、どのような業種であってもM&A案件の検討が可能になっています」

エグジットの方針について

「エグジットの方針についてもお話させていただければと思います。将来的に企業群をより拡大していきたいと考えておりますので、原則として投資先企業各社に対してM&Aを通じた、全株式売却によるエグジットは想定しておりません

多くのPEファンドやVCファンドにとってイグジットのタイミングであるIPOを経過した後でも、ミダスファンドは筆頭株主として長期保有を続けています。実際、今も上場企業3社の筆頭株主です。

また、株式の売却に関して、ミダスファンドは自己資本のみで形成していますので、実質的にファンドの償還期限が到来しません。つまり、いずれかのタイミングで株式を売却し、現金化し外部出資者にお返しをしなければならないというような制約を持ち合わせていません。ファンドの資金需要に応じ、売却を急ぐことも基本的にはしておりません。

一方、バイセルとGENDAの一部株式をIPO時やその後のタイミングで売却しております。これは資本政策上の要請に応じ、経済合理性を踏まえてのことです。今後も全株式の売却は基本的に想定しておらず、仮に株式の売却を行う際にも最大限、マーケットのインパクトに配慮して、株主の皆様と株主価値に対し、しっかり向き合って参りたいと考えています」

ミダスキャピタル相互扶助の取り組み

――最後にミダスキャピタルの相互扶助の取り組みや、注力するリファラル採用が紹介されました。

「ミダスキャピタルの独自のスキームについてご案内いたします。相互扶助は、投資先企業の経営陣同士が知見やネットワークを共有し合い、企業群全体で成長を加速させる取り組みです。

通常のファンドでもバリューアップやモニタリングといった支援は行いますが、投資先企業同士が深く関わり合うことはあまりないのが一般的かと思います。一方で、ミダス企業群では自律的に支援し合う文化が根付いています。想像以上に濃密なやり取りが日々行われており、CFOやCTO、営業責任者といった各領域の責任者が直接つながって、経験や知見を惜しみなく共有しています。これは非常に珍しいことだと思います」

「相互扶助の具体例としては、IPOやM&Aに関する情報交換、営業の生産性を高めるセールスイネーブルメントの成功事例の共有、さらにはテック領域の生成AI活用事例の共有などが挙げられます

上場準備中の会社のCFOが、IPO審査を経験した会社のCFOからインターネット上には載っていないような、リアルな情報を共有してもらえることは、非常に有意義です。

ミダス企業群で積極的に取り組んでいるM&Aも同様です。GENDAのようなM&Aを戦略の中心に据えている会社のメンバーから、Tipsや大枠の考え方まで教えていただく機会に恵まれています。

相互扶助の取り組みは、各社が次の成長ステージに進むための重要な土台になっています

注力するリファラル採用について

ミダスキャピタルではリファラル採用に非常に力を入れて取り組んでいます。ただ、通常のリファラル採用とは少し違う、広義のリファラル採用です。

例えば、転職したCFOが前の会社の同僚に声をかけたとします。声をかけてくれた人と一緒に働きたいと思っても、事業内容はピンとこないことが実態としてはあろうかと思います。

通常のリファラル採用であればそこで残念、と終わってしまうところですが、私たちはミダス企業群の他の会社やポジションを紹介します。ミダス企業群としても自社のネットワークだけではなかなか出会えないような人材に“お墨付き”で出会えるのは、非常に大きなポイントです」

相互扶助が、企業群の再現性ある成長につながる

「今日一番お伝えしたいことは、相互扶助が、企業群の再現性ある成長につながっているということです。例えばコーポレート領域でIPOやM&Aへの知見が共有されることで、連続的なIPOや、各社がM&Aをするときの成功率向上につながれば、相互扶助が効いていることになります。

採用面でも優秀な方の周りにいる優秀な方を連鎖的に取り込んでいく。経営層を中心に幅広くリファラル採用をしており、累計200名以上、リファラル経由で入社が決まっています。自分たちが成長することで、人を引き付ける力が大きくなり、それが実績という形に表れているのかなと思います」

New Articles

最新記事
Midas Talent

Recruiting

ミダスキャピタル、及びミダスキャピタル出資先企業群にて、世界に冠たる企業群を創りあげるというビジョン実現のために、傑出した実績や才能を持つ人材を積極的に募集しています。

To Entrepreneur

ミダスキャピタルでは一般的な株式の買取だけではなく、株式を現物出資することによって企業オーナー様がオーナーシップを保有したまま、ミダス企業群を形成する一社として長期に渡り企業価値最大化のお手伝いをさせて頂くことが可能です。