中古住宅流通が抱える課題を解消したい WAKUWAKUで新たな価値創造に挑む

「世界中の人々がワクワクできる社会を創る」というビジョンを掲げ、「中古仲介+リノベーション」のワンストップサービス市場シェアNo.1*の「リノベ不動産」を運営する株式会社WAKUWAKU。2022年1月、同社に山本大輔さんがジョインしました。山本さんはこれまで、大手物件検索サイトを運営するLIFULLでマーケティング責任者や中古住宅流通の事業部長を務めてきた経歴の持ち主です。そんな山本さんがWAKUWAKUへの転職を決められた理由や、今後挑戦していきたいことについてお話を伺いました。

*デロイト トーマツ ミック経済研究所株式会社 2021年5月号『ミックITリポート』掲載

◆プロフィール

株式会社WAKUWAKU
マーケティング部 ゼネラルマネージャー
山本大輔

1979年福岡県福岡市出身。2005年株式会社ネクスト(現LIFULL)に入社。LIFULL HOME’Sにおいて、主にサービス開発(サイト、アプリ、商品など)やプロモーション(オン・オフ)の部門責任者、中古流通領域の事業責任者などを歴任し、直近ではLIFULL HOME’Sのプロモーション領域を管掌。また、企画職種の職種長(職種メンバー数は100人程度)としてメンバーの育成にも尽力。2022年1月よりWAKUWAKUに参画。メンバーの力を最大限に引き出し、WAKUWAKUの更なる成長を目指す。

 

――2022年1月にWAKUWAKUに入社されました。現在の立場と仕事内容について教えてください。

肩書きはマーケティング部ゼネラルマネージャーです。業務は主にBtoBとBtoCの2つがあります。

BtoB領域では、主に不動産会社やリフォーム会社・工務店など「リノベ不動産」に加盟する可能性がある会社を集客し、営業による動機づけを通じて加盟店舗数を増やすことを目標に仕事しています。

BtoC領域では、住宅の購入を検討されている方を「リノベ不動産」というプラットフォームに集客し、住宅購入検討者とリノベ不動産の加盟店をマッチングさせることを目標に仕事をしています。物件やリノベーション事例、リノベーションのノウハウコンテンツなどの情報提供を通じて、「中古物件を購入してリノベーションしたい」というモチベーションを高める活動をおこなっています。

BtoC、BtoBどちらもWebサイト・広告などを使って「リノベ不動産」を知っていただき、興味を持っていただくことで、資料請求やセミナー参加などにつなげます。

部署には現在8人のメンバーがいます。年齢は、上は40代、下は新卒2年目で、平均年齢は30歳前後の組織です。中途でいきなりマネージャーとして入社したので、「うまくマネジメントできるだろうか?」と不安もありましたが、素直で人のよいメンバーばかりなので、スムーズに仕事を進めることができています。一方で上司の言うことが必ずしも正解とは限らないので、もっと疑問を呈してくれるようになると更によい組織にできると感じています。

 

――山本さんから見て、WAKUWAKUはどんな会社ですか?

住み替えたいと考えている方を第一に考え、その方たちの満足度を高めていくことを軸にサービス設計されているところが一番の特徴だと思います。社長や経営陣が言っているだけではなく、現場のメンバーと話していても、それがちゃんと伝わってくるんですよ。1カ月たって、しみじみといい会社だなと感じています。「ユーザーに寄り添う」と言葉では言っている会社はたくさんありますが、実際にユーザーに寄り添っている会社は少ない。WAKUWAKUは社内全体にそれが浸透していているからこそ、みんなが自信を持って自社のサービスを勧めることができている。それは素晴らしいことだと思いますね。

 

中古仲介+リノベーション事業のノウハウを提供 ビジョンとスピード感に惹かれた

 

――これまでの山本さんの経歴について教えてください。

大学は工学部で、主に化学と物理を学びました。大学入学前にはWindows95が発売されて、1年ほど経っていたのですが、インターネットを利用してみたいと興味を持ち、親に頼んでパソコンを買ってもらったんです。インターネットでいろいろなサイトを検索しているうちに、自分でも情報を発信したくなり、独学でサイトを作り始めました。自分の作ったホームページの掲示板にいろんな人がコメントをしてくれて、「見てもらえているのだな」と嬉しく思ったのを覚えています。

卒業後は、半導体工場などで利用される機械装置のメーカーに就職しました。営業職として応募したのですが、面接の際に「趣味でホームページを作っている」という話をしたら、会社のホームページやカタログを作る部門に配属されました。でも、入社してすぐに景気が悪くなり、創業初の赤字に転落してしまったんです。150人ほどいた社員が、人員整理で入社半年後には半分に減りました。その結果、営業や情報システムなど、いろんな仕事を兼任しました。

3年間やりきったときに「自分は本当は何がやりたいのか?」と改めて考えました。その結果、自身の強みとしてインターネットを活用した分野での専門性を高めたいと考え、若くても権限移譲してくれそうなベンチャー企業を探し、ネクスト(現LIFULL)に転職することにしました。

 

――ネクストではどんなお仕事をされたのでしょうか。

2005年2月に企画マーケティング職として入社し、不動産物件を探すプラットフォームのユーザビリティ改善、サイト集客業務を担当しました。具体的には物件の検索軸を増やしたり、サイトに人を呼び込むために広告などのマーケティング施策を中心におこなっていました。入社時点では60人ほどの会社だったので、仕事を選ばずに成果につながると思ったことは何でもやりました。

企画職・マーケター職以外の領域では、中古住宅流通の事業部長として営業部門のマネジメントも経験することができました。

現在では1500名程度までに成長したので、分業化が進んでいますが、私個人の経験としてはいろんなことを経験できてよかったと振り返っています。

 

――長く勤めていた会社から転職を考えた理由は?

きっかけは大きく3つあります。ちょうど2年前に新型コロナの感染拡大をきっかけに株価が暴落したタイミングで本格的に株式投資をはじめたことです。ただ単に投資するだけではなく、資産形成についても勉強しようと思い、ファイナンシャルプランナーの資格も取得しました。意外と老後の資産形成について考えている人が少ないことに気づき、困っている人に何かしら貢献したいと考えるようになりました。また、資産形成において、不動産が重要な位置づけにあることを再認識することができました。17年間不動産の領域に関わってきた強みを生かして、「不動産×資産形成」という形で世の中に貢献したいと考えたのが理由の一つです。

2つ目として、前職で中古住宅流通に携わっていた期間が長いこともあり、特に業界の負を感じたんですよね。日本において中古物件を選択する人は、欧米と比べるとまだまだ少数派です。「中古」という言葉の響きなどイメージもよくない。でも、中古だからこそ、自分らしい暮らしを実現することができるということを、世の中に広めていきたいと思っています。また、前職は物件検索が中心のポータルサイトだったため、ユーザーがサイトから資料請求した後を追うことは非常に困難です。実際に成約に至ったのかどうか分からないなどのもどかしさがあり、もっとユーザー情報を活用できるような事業やサービスに携わりたいと思っていました。

そして、同じような環境に17年間いて、会社の成長にそれなりに貢献できた自負はありましたが、社員数も多く、それは果たして本当に自分の貢献なのだろうか、再現性はあるのだろうかと思ったことが3つ目の理由です。自分の力を試してみたいと考えていました。ただ、実際に転職サイトに登録するなどして、転職活動をしていたわけではありません。

 

――そんな中で、WAKUWAKUに転職した決め手は何だったのでしょうか。

ちょうど次のステージについて考えていたときに、ネクスト時代の同僚でWAKUWAKUのCOOである須崎から「マーケティング責任者として来てほしい」と昨年8月に誘いを受けたことがきっかけです。

まずは会社のビジョンに共感したという点が挙げられます。先ほどお話しした通り、住み替え検討者に寄り添って、住む人の幸せを本気で実現しようとしているところに共感しました。

もう一つは、ビジネスモデルへの関心です。自社が不動産会社として事業展開している「Beat HOUSE(ビートハウス)」で得た成功事例を「リノベ不動産」の加盟店に広めていくことで「中古+リノベーション」という参入が難しい事業の成功確率を高めるというスキームに将来性に可能性を感じました。「面白いビジネスモデルだな、これは伸びるだろうな」とワクワクしたのと同時に、これまでの自分の経験を生かして貢献できることがありそうだと思いました。

 

全国に展開し加盟店舗数を拡大 中古物件の価値向上に貢献したい

――安定した企業からスタートアップへ。周囲の反応はいかがでしたか。

前職の上司に話をしたら大騒ぎになりましたね(苦笑)。「本当に大丈夫なのか」と、代わる代わる役員や社長と面談をしました。金銭面や安定性というよりは、本当に新しい環境で成長できるのか、今までの経験をただ吐き出すだけにならないかと心配されました。

そんな投げかけを受けたこともあり、もう一度鎌田との面談を実施してもらいました。鎌田自身が何を成し遂げたいのか、会社をどうしていきたいのか、現在の課題は何か、などを2時間近く話をしました。面談中の語っている姿から本気でビジョンを実現しようとしていることを感じ、そのビジョン実現に貢献したいという気持ちが強くなりました。

余談になりますが、鎌田の見た目は少し怖いイメージでしたが、実際に話してみるととても謙虚で、周囲やメンバーにすごく敬意を払っています。決して流暢に話すタイプではないのですが、言葉に力があり、思いがすごく伝わってくるんです。「世の中がワクワクしている状態を作りたいんだ!」と話している姿を見ると、心の底からそう思っているんだろうなと感じますし、年齢は私とほとんど変わらないけれど、目をキラキラとさせて語っている姿はまるで子どもみたいだな、と(笑)。とても魅力的な人だと思います。

 

――入社にあたり、鎌田さんとコミットしたことはどんなことでしょうか。

前職でも経験してきた、ユーザビリティの高いサイトを構築する部分、そして、作ったサイトに人を集める部分をゼロから立て直してほしいという話をされました。また、100人強の組織ではありますが、メンバー全員に鎌田さんの思いが伝わり切れていない部分があるので、間に立つマネージャーとして、その伝達役を託されました。現在、意識的に行っていることとしては、役員会などで決まった方針をきちんと自分の言葉で解釈して、メンバーが理解できる言葉で伝えています。これはメンバーからも非常に好評で、会社がどこに向かっているのかが見えるようになって嬉しいと声をもらっています。

 

――今後、WAKUWAKUで挑戦していきたいことは?

先ほどもお話したように、中古住宅流通が抱えている業界の課題があります。

日本ではこれまでに約1000兆円もの金額を住宅に投資してきているのですが、現状の価値は半分程度しかなく「失われた500兆円」などと言われています。一方で米国においては住宅へ投資した金額と現在の評価額の差がほとんどありません。

我々が提供しようとしている「中古+リノベーション」の仕組みを普及させることで、中古住宅を選択するユーザー数が増え、取引件数が増えていくことで、中古住宅の市場価値が下がりづらい状態をつくることに貢献できると考えています。

そのためにも住宅を購入する際の選択肢の中に「中古+リノベーション」が普通に出てくる状態にしたいと考えており、そのメリットをきちんと発信していく必要があります。より多くの人たちに我々の声を届けていくためにも、現時点で200超の加盟店数を300店舗、500店舗、1000店舗と拡大していくことを目指しています。

また、WAKUWAKUでは、前職で難しかったユーザーの成約データを活用した、より満足度の高いサービスを住み替えユーザー、加盟店の両者に提供することにも挑戦していきたいですね。

私個人の目標としては、住宅は一つの手段として、最終的には人の人生設計に関わり、資産形成に困っている人を減らせるような貢献ができればと考えています。

 

――ありがとうございました!

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