チーム一丸で資本主義の中心へ行く ミダスキャピタルの決意 イングリウッド黒川隆介代表取締役社長兼CEO×ミダスキャピタル吉村英毅代表パートナー対談(後編)

イングリウッド黒川隆介代表取締役社長兼CEOとミダスキャピタル吉村英毅代表パートナー対談の後編。今回は企業が手を取り合うことのメリットについて迫ります。黒川氏と吉村氏が意気投合したきっかけについても聞きました。(前編はこちらから

◆プロフィール

株式会社イングリウッド 代表取締役社長兼CEO
黒川 隆介(くろかわ・りゅうすけ)氏

大学卒業後、米国製品のインポート事業をスタート。2005年に有限会社イングリウッドを設立し、取締役社長となる。2014年、株式会社イングリウッドに組織変更し、現職に就任。アメリカのDEXTERNYC,CO.,LTD.CEOも兼任。データテクノロジー事業、AI戦略事業、セールス・ライセンス事業を3本柱に事業を展開する。

 

株式会社ミダスキャピタル 代表パートナー
吉村英毅(よしむら・ひでき)氏

東京大学経済学部経営学科卒。2003年大学在学中に株式会社Valcomを創業。2007年株式会社エアトリを共同創業し代表取締役社長に就任(株式会社Valcomを吸収合併)。2016年株式会社エアトリを東証マザーズ上場、2017年東証1部上場。2017年株式会社ミダスキャピタルを創業し、後に代表取締役社長に就任。同年ミダスキャピタル第1号案件として株式会社BuySell Technologiesを買収。後に取締役会長に就任し、2019年東証マザーズ上場。

 

一社ではなし得ない目標も、チームなら達成できる

――ミダスキャピタルのように、起業家、実業家が関わっているプライベート・エクイティ・ファンドは珍しいのではないかと思います。

吉村 ほとんどが金融やコンサル出身者中心かと思います。金融に長けた人がいるのももちろん大事ですが、個人的にはそのビジネスを根本から理解している起業家、そして傑出したビジネスプロフェッショナルが手を取り合うことが、事業をグロースさせいく上でも重要だと考えています。ただ、起業家や実業家と我々のようなファンドが組むことは、本来なかなか容易ではないのですが。

 

――なぜ、難しいのでしょうか?

吉村 まず、オーナーシップの問題があります。それを解消するのがミダスキャピタルの現物出資スキーム。起業家がオーナーシップを失うことがないので、不安は十分解消できるのではないかと思います。それよりも大きいのは、「誰かとチームになることの意義を見出せない」という点ではないでしょうか。

イングリウッドはこれまでの実績、そして黒川さんの力があります。ご自分たちだけで上場することも、業績をさらに伸ばすことも可能だったでしょう。しかし今の日本では、一企業だけで時価総額数10兆円を達成するのは困難です。そこで考えたのが、ミダスキャピタルというチーム一丸で資本主義の中心に行くというやり方でした。一社では実現不可能なことも、チームならたどり着けます。目標設定として時価総額を掲げていますが、もちろんそれがすべてで はありません。経済的に影響力を持つことで、社会をより良い方向に変えていくことも大きな目標です。

黒川 私も創業経営者として、社会にインパクトを残す企業でありたいと思っています。極端な話ですが、もし明日イングリウッドがなくなったとしても、困る人は多くないと思っています。従業員や取引先に迷惑はかけてしまうかもしれないけれど、それも一瞬。すぐに忘れ去られてしまうはずです。私たちは社会に必要不可欠な企業になりたいのです。

人口減などもあり、日本は現在衰退の一途を辿っています。起業家が育ちにくく、スモールビジネスにとどまりがち。ビジネスをする上で閉塞感のある状況です。その背景には、ロールモデルになる企業がないからだと考えています。楽天、ソフトバンクなど一代で成功した企業もありますが、あとに続く企業が出ていません。各世代にもっとロールモデルがつくれるように、ミダスキャピタルやその投資先企業と連携していきたいです。

 

手を取り合って日本を、そして社会を良い方向へ導きたい

――ミダスキャピタルは社会課題を解決するための目的で、「ミダス財団」を設立。ミダスキャピタルの収益の10%を財団に寄付しています。財団に共感して参画する方も多いと伺いましたが、黒川さんもそのお一人だそうですね。

吉村 黒川さんも個人的に社会貢献活動をずっと続けられていて、その話でも意気投合しました。

黒川  児童養護施設で暮らす中高生に向けて、塾の費用をサポートする活動を2017年から続けています。上限は一人1万5000円で、現在は17施設200人弱を支援しています。親として自分の子どもに良い教育を与えることはできるけれど、できる限りたくさんの子どもたちにも同じように学ぶ機会を持ってもらいたいのです。ミダス財団はベトナムに学校を設立するなど共感する部分も多く、その点でもぜひ一緒に組みたい相手でした。

先ほども申し上げましたが、私が人生において最も大事にしているのは「社会性」。生まれてきたからには誰しもに使命があると思っていますが、私に課せられたのは日本という良い国を次の世代に残すこと。子どもたちのために教育の格差是正、そして起業家のために経済活動がしやすい仕組みをつくっていきたいです。

――ありがとうございました。

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