オーナー経営者の不安を解消した「ミダスならではのやり方」 イングリウッド 代表取締役社長兼CEO×ミダスキャピタル吉村代表パートナー対談(前編)

2018年にミダスキャピタルに参画したイングリウッド。今では良きチームの仲間として歩む2社ですが、黒川隆介代表取締役社長兼CEOは「参画を持ちかけられた際、多少の不安もあった」と話します。ミダスキャピタルの吉村英毅代表パートナーとの対談を通して、その不安をどう解消したのかを探ります。

◆プロフィール

株式会社イングリウッド 代表取締役社長兼CEO
黒川 隆介(くろかわ・りゅうすけ)氏

大学卒業後、米国製品のインポート事業をスタート。2005年に有限会社イングリウッドを設立し、取締役社長となる。2014年、株式会社イングリウッドに組織変更し、現職に就任。アメリカのDEXTERNYC,CO.,LTD.CEOも兼任。データテクノロジー事業、AI戦略事業、セールス・ライセンス事業を3本柱に事業を展開する。

 

株式会社ミダスキャピタル 代表パートナー
吉村英毅(よしむら・ひでき)氏

東京大学経済学部経営学科卒。2003年大学在学中に株式会社Valcomを創業。2007年株式会社エアトリを共同創業し代表取締役社長に就任(株式会社Valcomを吸収合併)。2016年株式会社エアトリを東証マザーズ上場、2017年東証1部上場。2017年株式会社ミダスキャピタルを創業し、後に代表取締役社長に就任。同年ミダスキャピタル第1号案件として株式会社BuySell Technologiesを買収。後に取締役会長に就任し、2019年東証マザーズ上場。

 

オーナー経営者として感じていた「限界」
ミダスとの出会いで大きく変化

――イングリウッドは2018年にミダスキャピタルに参画しました。どのような経緯だったのでしょうか。

黒川 共通の知人を介して、吉村さんと知り合いました。ミダスキャピタルに強い興味を抱いたのは、やはり吉村さん自身が起業家だったことが大きかったかもしれません。ご自身が社長として成し遂げたことが多く、その上で起業家が考えても足りないものを補完するスキームに惹かれました。

吉村 黒川さんは米国製品のインポートを24歳で始めて、「ネクストユニコーン」と呼ばれるまでに会社を大きくしてきた、圧倒的な実績を持つ人。親しくなるうちに、仲間を裏切らない、一度決めたことをやり遂げるという人間性に信頼感を覚えました。

イングリウッドの組織自体も、黒川さんの魅力をそのまま反映しています。メンバー全員が黒川さんのほうを向いているのが良く分かる。和気あいあいとした雰囲気も黒川さんの人柄にそっくりだと思います。強いリーダーシップがある中で、強固な信念を持ってやり切ると決め、数字を含めて決めたことは必ず達成しています。これこそがイングリウッドの強みです。

黒川 吉村さんはそう言ってくれますが、自分でもかつてのイングリウッドには「ワンマンな会社」という側面があったと思います。確かに私が描いた戦略を忠実に実行していく企業でした。順調である一方、規模が大きくなればなるほど、私の手に負えないことが増えてきました。2017年は、ちょうどそんな状況に悩んでいた時期でもありました。

当時は取締役が一人もおらず、5つある事業部をすべて私が見ている状況。私は年間の3分の2は海外にいるので遠隔で指示を出しているのですが、私が休むと全体の動きが止まってしまうという問題もありました。また、どの事業に対しても、いつの間にか広く浅く関わるようになってしまい、それぞれに核心をついた発言ができなくなっているという点にもジレンマを感じていました。

 

――今の規模のままなら、このやり方でいいかもしれない。でもより伸びていきたいならやり方を変えなければいけない。そうした時期に来ていたわけですね。

黒川 実際のところ、このままあと10年頑張れば売り上げ1000億円には到達できるだろうとは思っていました。でも実はその先については漠然としていた。そんなときに吉村さんに「目標に向けてイメージがつくように仕事をしていったほうがいい」とアドバイスをしてもらいました。

起業家には得意・不得意がはっきりしている人が多いように感じます。得意なことにはどんどん頭も手も動くけれど、不得意だったり知識がなかったりする部分は想像ができずに止まってしまう。私もまさにその部類です。例を挙げると、ハイレイヤーな人材と一緒に働いた経験がないので、そうした人々が来てくれてもどうワークするのか、いまいちピンとこない。また、自己資金でやってきたこともあって、金融機関との関わりがほぼありませんでした。

吉村さんやミダスキャピタル投資先企業群のみなさんとの交流を通して、イメージの持ち方、金融機関とのお付き合いなど、ビジネスの基本などを改めて学び、経営者として大きな感銘を受けました。

 

リファラル採用で入ってくれたメンバーと目指す、更なる目標

――ミダスキャピタルからの紹介で入社された経営陣も多いと聞いています。

黒川 新たに加わってくれた優秀な経営陣の活躍に、日々支えられています。2022年に取締役副社長兼CGOに就任した三好(悠介氏)とも、ミダスキャピタルとのご縁でつながりました。イングリウッドは現在組織を拡大しており、今期末で約300人まで増える見込みです。メンバーが増えることで、どうしても制度設計や人材育成が手薄になりがちでしたが、その道に長けた三好に安心して任せられるようになりました。専門性を持つ人材に関わってもらうことで私もより事業に集中できるということに、改めて気づきました。

ミダスキャピタルに参画した2018年からの1年間で売り上げが40億円から110億円まで伸びましたが、その背景にはミダスキャピタルの支えがありました。リファラルで入ってくれたメンバーから受けた経営改善のアドバイスや吉村さんとの対話から得られた事業のヒントによって、イングリウッドはひとまわり大きく成長したのです。

吉村  ミダスキャピタルはファイナンスや経営、テックの支援もしていますが、採用が何よりの強みです。採用に関しては、一社単体だとアクセスしづらいこともあるでしょう。でもミダスキャピタルのコンセプトとスキームに共感してくれる人を集めれば、かなり優秀な人材がそろうことになります。

ミダスキャピタルの投資方法は3つで、バイアウト、新規設立、そしてオーナー経営者が株式を現物出資してファンドに参画する方法。イングリウッドは現物出資スキームの第一号としてジョインしてくれました。少しでも役に立ちたいとマッチしそうな人材をどんどん紹介しましたが、もちろん我々の紹介だからと言ってすぐに入社を決断するわけではありません。最終的には黒川さんという人に会って、イングリウッドに魅力を感じたからこそ、入社するという選択をしたのだと思います。

 
後編では、企業が手を取り合う意味、両氏が意気投合したきっかけについて聞きます。

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