【賢者のルーティン】「毎夜20分の振り返り」で長期視点を養う ゼスト一色淳之介代表取締役社長

ビジネス界で輝く成功者たちは、どうやって成果をあげているのか。それぞれのルーティンから見えた、仕事のヒントを探る。今回はゼスト一色淳之介代表取締役社長に聞いた。2022年9月に社長に就任し、目の前のやるべきこと、そして長期的な課題解決に向けて、仕事に邁進する日々。「余白」を作るために、取り入れているルーティンとは?

 

◆プロフィール

株式会社ゼスト 代表取締役社長
一色淳之介(いっしき・じゅんのすけ)氏

東京大学農学部を卒業後、東京大学大学院農学生命科学研究科を修了。新卒でP&Gジャパンのマーケティング部門に所属し、日本及びシンガポールでヘアケアブランドのマーケティングに従事。2013年に創業期の株式会社ヤマトキャピタルパートナーズ(現・株式会社YCP Solidiance)に参画。パートナーとして、様々な企業に対するマーケティング、経営戦略、さらには新規事業立案等のコンサルティング支援を行う。また投資先であったエンターテイメント企業においては自らが役員として、事業戦略・組織戦略・資本政策などを牽引し、事業再生を実現。2022年9月1日付けで株式会社ゼスト 代表取締役社長に就任。

 

筋トレとエンタメで
「仕事脳」を強制的に切り離す


健康にかかわる事業を手がけるだけあって、運動は欠かさない。社長として多忙を極める中、一色氏の1週間のルーティンには必ず「トレーニング」の時間が組み込まれている。土曜日の午前中は必ずジムでパーソナルトレーニングを受け、加えて週に1回は自宅にて1時間の筋トレを行うという。部活などで運動を定期的にしていたのは高校生まで。大学生以降は運動習慣がなかったものの、「昔は徹夜で働けるほど体力に自信があった」と話す一色氏。

「ここ数年で体力の低下を感じるとともに、集中力が落ちてきたのも気になりました。そんなとき、先輩経営者から『動くと頭が働くから、やったほうがいい』と勧められて筋トレを始めましたが、確かに明確な変化を感じます」

運動は、体力の向上や集中力の維持のためだけではない。「強制的に仕事のことを忘れる時間を作る」のも大いなる目的の一つ。

「社長に就任して以降、眠りに落ちる瞬間まで仕事のことを考えているという自覚があります。ただ、さすがに筋トレ中は必死すぎて何も考えられなくなる。これが頭の切り替えにちょうどいいんです」

切り替えに一役買っているもう一つの存在が、エンタメ作品だ。どんなに忙しいときでも疲れているときでも、30分から1時間はドラマやアニメを見るようにしている。フィクションの世界に没頭することで、リラックスして仕事から離れる時間が取れるからだ。「2時間映画を見る時間がなかなか取れないので、最近はもっぱらドラマやお笑い芸人のYouTube。ハマれる作品に出会うと、頭も心もスッキリします」。

長時間ベッドで過ごすより、筋トレで適度に身体に負荷をかけ、エンタメ作品にどっぷり浸る。その後、良質なマットレスや枕でぐっすり眠る。これが一番のリセットになるという。

 

ベッドで練り上げる「事業計画」
「気負わず、ラフに」が続けるコツ

ビジネスのパフォーマンスを上げるためには、リセットすることに加え、視点を切り替えることも重要だ。人は誰しも「今すぐやるべきこと」に集中しがちだ。明後日の商談のために必要な資料の準備や営業成績の確認。短期時間軸ばかり見つめてしまい、いつの間にかその「処理」が仕事の中心になってしまう。

「3カ月先、1年先を考えることも社長の大事な役割。1年ごとに事業計画を設定していますが、それがうまくいかなかったらどうピボットするか。常に頭の中に置いておかなければなりません。目の前のことからいったん頭を切り離し、長期的な考えを練る必要があります」

社長就任以来、目の前の短期的な仕事と社長としての長期的な視点の両軸を求められ、考え付いたのが「スマホに未来の計画をメモする」という方法だった。気負いすぎないようにあえてPCは使わない。スマホのメモに3カ月先、半年、1年と区切って、時間軸ごとにやるべきことやうまくいかなかったときの対処法をざっとメモしていく。

書き直すことも前提。人に見せないので、ラフに書いていくのが続けるコツだという。「ベッドの上に寝転んで書くくらいのほうが長続きする」と一色氏は笑う。ゼストの社長に就任してからは毎晩20分、寝る前に必ずメモを開いているという。

「新しい発想や視点が芽生えるのも、こうした余白の瞬間があるからだと思います」。

座右の銘は、「倒れる時も前のめり」。何事も力いっぱい取り組めば、もし倒れても身長分だけは前に進んでいるはず。大学時代の先輩からふとした瞬間に漏れ出た言葉を、一色氏なりに解釈して心に刻んでいるという。全力で働き、全力で動き、笑う。オンとオフを意識的に切り替えながら前に進み続ける。そんな一色氏の姿が垣間見えた瞬間だった。

 

「私を変える、モノ」

– 自転車
「自転車にハマり、休日に友だちと鎌倉や江ノ島まで行くこともあります。車道を走るので、余計なことを考える余裕はなく、運転に完全に集中。これも仕事から離れるいいきっかけになります。停車中に見る新しい景色は、タクシーや電車から見るのとは全く違ったもの。自分を解放するひとときです」

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