新しいフェーズに向けて「プロダクト強化と人材採用に力を入れたい」スプリームシステム 渡部知博代表取締役社長兼CEOインタビュー

2023年6月、エンゲージメントデータプラットフォーム(EDP)である「aimstar」を提供するスプリームシステムは、5.1億円の資金調達をしました。今回の主要目的は「プロダクトの機能開発」と「新たな人材採用」であると語るスプリームシステム代表 渡部和博氏。同氏に今後の具体的な施策について伺いました。

 

◆プロフィール

スプリームシステム株式会社 代表取締役社長兼CEO
渡部知博(わたなべ・ともひろ)氏

2008年株式会社日本総研ソリューションズ(現: 株式会社JSOL)入社。SEとしてWebアプリケーション開発経験を経た後、金融・公共営業部門にてアカウント営業を担当。2012年から2021年まで外資系SaaS企業(Salesforce、Yext)にて中小〜大手企業向け営業および営業責任者として国内マーケット拡大に従事。2022年1月スプリームシステム株式会社に執行役員CRO(Chief Revenue Officer)として参画。同年10月代表取締役社長兼CEOに就任。愛媛県北条市(現・松山市)出身。

 

AIを中心とした技術開発に注力していきたい

――今回、5.1億円の資金調達が話題です。主にどのような用途をお考えでしょうか。

弊社では、カスタマーデータプラットフォーム(以下、CDP)やマーケティングオートメーション(以下、MA)機能を併せ持つソフトウェア「aimstar」を主要プロダクトとして開発しています。

aimstarの最大の特徴は、エンゲージメントデータプラットフォーム(以下、EDP)である点です。我々は「テクノロジー×プロフェッショナルで企業の潜在成長力を最大化する」とaimstar事業のパーパスを定義しています。つまり、AI技術を中心としたプロダクトと、イネーブラーとして機能する人の支援の2軸を持って主にはBtoC企業のLTV向上をはじめとしたグロースを実現するプロダクトです。

今回、このaimstarを強化するために資金調達に踏み切ったわけですが、主に二つの用途を考えています。一つ目はプロダクトの機能開発、二つ目は全社的な会社成長に向けた採用強化です。

 

――EDPについて具体的に教えてください。

EDPというのは、様々なデータが統合され、クライアント企業のその先にいらっしゃる顧客とのエンゲージメント向上実現のために、必要な施策のPDCAを一気通貫で実現できるプラットフォームです。

しばしば、CDPと何が違うのかという質問を受けるのですが、CDPは顧客データを中心とした概念となります。また、そこから何か施策を打ちたい時は、MA、例えばメール配信と繋ぐなど、外部サービスとの連携により施策を実行する必要があります。

一方、EDPでは顧客データに限らないデータ集積が可能です。実際、今のところ大半は顧客データに関連してはいますが、今後は、例えば天気情報など顧客に直接関連しないようなデータも集約し、クライアント企業が実現したい売上増加や収益増加、LTV(ライフタイムバリュー)の最大化に貢献していきたいと考えています。

また、最終的には、aimstarをご導入いただくことで、様々なインプットデータを中心に、自動で分析、その後の施策立案・実行・改善までを全自動で実現できる姿を目指します。

 

――aimstarの機能開発に資金を注力していくということですが、今話題の生成AIの技術が生かされるのでしょうか。

はい。我々は、前述の通りaimstarが様々なマーケティング施策に関してAIを活用して自動化できる仕組みを作りたいと考えています。すでにaimstarはAI関連領域に関して、例えば機械学習によりレコメンド最適化機能を有していますが、AI関連領域の技術開発に追加投資をすることで、より注力していきたいと思っています。

なぜ、AIの技術を使って自動化することで顧客とのエンゲージメントがより最適化されるかというと、今までは多数のデータを集めて分析しようとすればするほど、変数も増え、工数もかかっていましたし、まさに実務担当者のリテラシーに成果は大きく依存します。それに、特にクリエイティブ領域は人の手に頼らざるを得ない部分も発生するので、人件費も嵩んでいました。

しかし、機械学習や生成AIを活用することで、複雑なデータも自動で弾き出すので工数が下がりますし、人間では分析が難しい領域もAIに任せることで非常に精度の高い情報を得ることができ、より精度の高い情報をクライアント企業の先の顧客に提供することができると考えています。

 

我々はクライアント企業の”羅針盤”を目指す

――採用強化についてお伺いします。具体的にどの分野の人材をお考えでしょうか。

今回は特に、エンジニア、プロダクトマネージャー、カスタマーサクセスと、大きく3つの分野での人材を募集したいと考えています。

先ほどお話したように、プロダクト強化を数年以内に実装したいと考えています。そのため一つ目として、エンジニア、特にデータ分析、AIに長けたエンジニアに入社を募集しています。

二つ目のプロダクトマネージャーに求めるのは、aimstarのプロダクト価値を顧客・クライアント企業・一般生活者向けにどういった価値提供をするのか、どういった収益モデルでマネタイズするのかを企画できる人材です。こちらには、事業開発の分野も含まれます。

そして三つ目のカスタマーサクセス(以下、CS)ですが、今回、こちらも非常に強化したい分野です。クライアント企業がAIを使いこなすためにリードしていける人材、言うなれば”羅針盤”のような役割を果たす人材ですね。企業がグロースしていくためのイネーブルメント(テクノロジーを利用した仕組み化)に興味がある人を募集しています。

 
――CSについてもう少し詳細にお聞かせ願いたいのですが、スプリームシステムに向いているCSの人材とはどのような人だとお考えですか?

そうですね。弊社のカスタマーサクセス責任者がよく「イネブラー(伴走者)」という表現を使うのですが、aimstarを使ってクライアント企業のゴール達成に向けた戦略を考えられる人、具体的に言うと、コンサル業界で活躍していたような人などが向いているように思います。クライアント企業の課題を特定して、解決まで目を逸らさず伴走できる人ですね。そういう人には非常に面白い仕事だと思います。


 

「誠実さ」を大切にする仲間と会社を成長させたい

――最後に、渡部さんが大事にしているミッションについて教えてください。

まず我々の会社が一番大事にしているミッションは「Client Growth First」です。根底にあるのはクライアント企業の成長にコミットメントしたい、伴走していきたいという思い。これは今後も絶対に変わらないミッションです。

それに加え、私自身が強くこだわっていることは「インテグリティ(integrity)」です。これは、「誠実な」「真摯な」という意味ですけど、会社がどんなに成長して規模が大きくなり従業員が増えたとしても、インテグリティである事は絶対に守らないといけないと思っています。これについては、社員にも常に意識していこうと話していますね。

 

――それはこれからジョインする人にも強く伝えたいことですか?

はい。これから一緒に働く仲間たちにも誠実であることを何より大事にして欲しい。我々は成長だけを求める企業ではないとお伝えしたいです。

我が社は今、大きく成長していくフェーズにいますが、成長のためにインテグリティを犠牲にすることは決してありません。自分たちが描こうとしているビジョンやロードマップに対して誠実にチャレンジしていける人と仕事をしたいと思っています。

全社どの分野でも、チームと自分の成長を一緒に目指せる人、それを楽しめる人には刺さる仕事です。ご興味を持った方からのご連絡をお待ちしております。

 

――ありがとうございました。

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